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診療案内

理学療法部門

整形外科領域

脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全的術(TES)や側弯症に対する矯正固定術、骨肉腫に対する患肢温存術、重度の変形性関節症に対する人工関節置換術や、足部変形や変形性足関節症に対する手術など、整形外科の各診療班が専門とする手術の術後、整形外科医と密に連携をとりながら、早期の自宅退院や円滑な回復期への移行に向けて、理学療法を実施しています。

脳神経領域

外科領域では脳腫瘍(原発性および転移性脳腫瘍)に対する摘出術を主とした集学的治療中の診療が中心となりますが、脳梗塞に対する血管内治療や開頭術後の診療も多く実施しています。内科領域では脳梗塞の内科的治療に加え、神経変性疾患や免疫性神経疾患の確定診断および治療中の診療を実施しています。急性期や治療中のリスク管理を徹底するとともに、早期の機能回復および社会復帰を目指して日々介入しています。大学病院ならではの希少疾患や最新治療の診療を行う機会が多いことも特徴です。

スポーツ領域

スポーツ外傷・障害のリハビリテーションを入院および外来にて実施しており、様々な疾患を経験することができます。特に前十字靱帯損傷や半月板損傷、Osgood-Schlatter病など膝関節疾患の患者さんが多く来院されます。患者さんの活動レベルはレクリエーションスポーツレベルからトップアスリートまで幅広いため、目標設定に応じたスポーツ理学療法の提供が必要となります。また、臨床はもちろんのこと、スポーツドクターとともに研究活動にも力を入れています。

心大血管領域

心臓血管外科における開心術・大血管手術後や循環器内科における心不全などの疾患を対象に心臓リハビリテーションを行っており,集中治療室(ICU)のような急性期から、多職種協働による退院支援まで幅広い病期を担当します。また、循環器内科と密接に協力し、心肺運動負荷試験や心臓リハビリカンファレンスの実施に力を入れています。さらに、心臓リハビリテーション指導士や心不全療養指導士の資格などの取得を応援する体制が整っています。

がん領域

当院では、年間の理学療法処方件数の約25%が”がん”と関連しており、がん理学療法が重要な役割を担っています。外科周術期から化学療法および放射線治療中、小児がん、緩和期に至るまで、あらゆるステージに幅広く対応しています。また、各病期におけるリスクを適切に管理し、安全な理学療法を提供しています。さらに、多くの関連病棟で定期的にカンファレンスを行い、多職種と連携し、患者さんにとって最適な介入ができるよう努めています。

内部障害領域

内部障害(呼吸機能障害、腎・泌尿器機能障害、肝機能障害、消化機能障害、内分泌・代謝障害など)を有する患者さんやリウマチ・膠原病を有する患者さんに対して、主科の治療に合わせ早期にアプローチし、合併症の予防や身体機能の維持・回復を目的に介入します。幅広い障害像、経過を呈するため、多職種で協力し、個々の病期・病態に応じたリハビリテーションプログラムを立案、提供します。

作業療法部門

整形外科領域

手指や手関節、肘など手に関連した外傷・疾患に対するハンドセラピィを専門的に実施しています。大学病院という特性上、外傷だけでなく変性疾患の方や他院から紹介される難治例も多いです。整形外科・手外科班の医師と密に連携し、診療や研究、研修会など多方面に活動を行っています。

脳血管疾患

発症後・手術後早期からの介入を行い、麻痺の程度や高次脳機能の評価を行います。また、評価結果に応じた自助具の提案や、自宅退院に向けた環境調整などにも尽力しています。また、脳腫瘍患者が多いことが特徴として挙げられ、専門のセラピストが覚醒下手術に立ち会うなど、診療科とも連携しています。

膠原病領域

専門の技師が、皮膚科、腎臓リウマチ膠原病内科、呼吸器内科、循環器内科、脳神経内科、小児科をはじめ、多くの診療科と連携し、多彩にみられる症状に対して、適切なリハビリテーションを実施しています。全身性強皮症に対しては診療ガイドラインに基づき、診療科の治療方針にそったリハビリテーションを行います。出現している症状、ご病気の時期に応じたプログラムを提供します。手指、呼吸・循環器等適切なリハビリテーションを行います。皮膚筋炎・多発性筋炎に対しては炎症性ミオパチーの国際ガイドラインの推奨に基づき、診療科の治療方針にそったリハビリテーションを行います。出現している症状、ご病気の時期に応じたプログラムを提供します。筋力、呼吸・循環器等適切なリハビリテーションを行います。

がん領域

当院は都道府県がん診療連携拠点病院であり、幅広いがん種のリハビリテーションに対応しています。作業療法では、特に、脳神経外科、泌尿器科、産科婦人科、呼吸器内科、血液内科、小児科からの依頼が多く、治療期から緩和期まで、小児から高齢者までADL能力の低下をきたした方を対象とすることが多いです。QOLの維持、改善を目標に個々のニーズを尊重しながら心身機能向上、家庭・社会復帰支援を行っています。

心大血管領域

作業療法士が行う心臓リハビリテーションは、自分らしい生活を送るために日常生活や生活習慣の見直しを行います。作業療法士が心リハに関わることで、患者の「生活全般」に寄り添い、ADLの向上・社会復帰・精神的サポート・省エネ動作指導・環境調整など、多面的な支援が可能になります。単なる運動療法にとどまらず、患者が「自分らしい生活」を取り戻すことを目指す点が、作業療法士が心リハに参加する意義です。

小児発達領域

低出生体重児を周産期から関わり、フォローアップまでおこなっております。運動面だけでなく、親御さんからの細かな疑問を聞きながら指導しています。最近では脳神経外科の新生児の頭のかたち外来と共同で発達評価や生活指導を開始しております。

精神科作業療法部門

統合失調症、気分障害をはじめとする幅広い精神疾患に対応しています。治療は、入院中から退院後の生活、さらに地域での生活の継続に向けて行われます。患者様の症状や回復段階に応じて、様々な作業活動を利用し、精神症状や認知機能の障害による生活のしづらさ、人間関係の難しさなどを改善するための指導・援助を行います。

摂食障害領域

当院は摂食障害支援拠点病院として、摂食障害に悩む多くの方々を受け入れています。作業療法は、患者様が作業を通じて気分転換を図るだけでなく、主体的に自分の問題に向き合い、解決できるように支援するなど、治療を支える重要な役割を果たしています。また、身体合併症を伴うことが多いため、早期から一般作業療法部門とも連携し、心身の回復を目指して多角的に支援を行っています。疾患の特性上、児童・思春期の患者様も多く、当院の作業療法室は明るく和やかな雰囲気です。その環境を活かし、患者様一人ひとりが“望む生活”を実現できるよう、共に考えながら取り組んでいます。

言語聴覚療法部門

言語障害領域:失語症

失語症とは、脳の言語中枢が損傷を受けることで、聞く・話す・読む・書くといった言語機能全般に障害が生じる状態を指します。当院では、患者様の日常生活やコミュニケーション状況を詳細に評価し、問題点を明確化します。その上で、残存する能力を最大限に活用し、多角的なアプローチで言語機能の改善を図る段階的なプログラムを個別に作成しています。また、他者との円滑な会話を促進するため、患者様の能力に応じた効果的な手段や方法を提案し、コミュニケーションの幅を広げる支援を行っています。当院の特色として、覚醒下手術における術中言語機能評価支援を行っています。覚醒下手術とは、脳腫瘍が言語機能などの重要な脳領域に近接している場合に、術中に患者様との対話や言語課題をしながら言語機能をモニタリングし、機能を温存しつつ腫瘍を摘出する手術方法です。手術前後には、言語機能や高次脳機能の神経心理学的評価を実施します。術後は症状に合わせたリハビリテーション介入を行い、機能回復を目指します。

言語障害領域:構音障害

構音障害とは、舌・唇・下顎・軟口蓋・声帯などの発声発語に関わる器官の機能低下によって、正確な発音が難しくなる状態を指します。脳血管疾患による運動障害性構音障害は、麻痺によって言葉を話す際に使う舌や唇の動きなどに制限が生じ、呂律が回りにくくなる言語障害です。また、頭頸部疾患や顎変形症による器質性構音障害では、発声発語器官の形態的な異常が原因で明瞭な構音(発音)が困難になることがあります。特に頭頸部疾患に関連する手術を受けた場合、発話器官の形態的な変化が原因で発話の不明瞭さが生じるため、症状が重い場合、発話の理解が困難となり、聞き手が話の内容を推察しながらやり取りをする必要が生じることがあります。当院では、発声発語に関わる器官の運動機能を評価し、患者様一人ひとりの状態に応じて、発声発語器官の機能を最大限に活かした構音訓練や、補助的なコミュニケーション手段の活用を支援し、円滑なコミュニケーションができるよう支援していきます。

摂食・嚥下機能障害

摂食嚥下障害とは、食べ物や飲み物をうまく飲み込むことができない状態を指し、むせ・誤嚥・栄養不足などのリスクを伴います。当院では、摂食嚥下障害が疑われる場合、言語聴覚士が問診やスクリーニング検査を行い、適切な訓練・指導を実施します。私たちは、摂食嚥下機能の低下が見られる方に対し、再び食事の喜びを感じていただけるよう支援を行っています。特に、脳血管疾患や心疾患などでICU(集中治療室)に入室中の患者様には、早期から嚥下リハビリテーションを導入し、嚥下機能の維持・改善を図ります。食道がんの周術期や頭頸部疾患の患者様に対しても、嚥下リハビリテーションを積極的に実施し、機能回復と生活の質の向上を支援しています。当院ではリハビリテーション科・耳鼻咽喉科頭頸部外科・歯科口腔外科と連携し、嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査・口腔機能検査を実施しています。これらの検査を通じて、目に見えない摂食嚥下の動態を詳細に確認し、適切に評価したうえで、最適な訓練方法や安全な食事形態を決定します。

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